牢人

古代には戸籍を脱し故郷を離れた人々を浪人と言いました。中世の中頃からは、主人を失い領地や禄をもたぬ武士を牢人といった。近世に入り大名が整理されるに及んで、こうした牢人が多く放出されましたうえに由井正雪の事件などが起こって大きな社会間題となったために、江戸幕府はその対策に腐心しました。結局彼らは帰農したり、学者、教育家として武道を指南したり、寺子屋の師匠となったりしました。近世末期に彼らは志士と言われて倒幕を企図する者が多くいました。明治維新後からは、勤先を失った者、入学試験の失敗者、学校出の末就職者を、牢人(浪人)と言うようになりました。

日本史

          copyrght(c).日本史.all rights reserved

日本史